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2.基本設計

 基本設計はSample Action Gameのゲームコンセプトや開発環境、実行環境について説明を行います。


2.1.ゲームコンセプト(フェーズ1)

 Sample Action Gameのゲームコンセプトは以下を目標として設計されました。

  1.単純な操作でプレーが行える。
  2.アクションゲームである。
  3.可能な限りヒット&アウェイに重きを置く。
  4.プレイヤー(以降:自機)は攻/防を行える。
  5.自機がパワーアップする。
  6.古きよき 80年代のゲームをリスペクトする(2Dゲームとする)。
  7.古きよき 80年代のゲームセンターをリスペクトする(セーブはなし。プレー時間は最長1時間半程度)。

 これらの詳細として以下の考えがありました。


1)単純な操作でプレーが行える
 学習で習得する程度のためのゲームなので、2006 現在にリリースされる高度なゲーム (これは市場にも、同人ソフトにも当てはまります)を作るわけではないという考えから、 シンプルであることに意義(美徳)があると考えました。そして、あくまで独りで作成する ということから、そんな大それた考えを持つことなど無理がありすぎという考えもありました。

2)アクションゲームである
 2006 現在、Java のサンプルゲームをインターネットで検索を行うと、非常にシューティングゲームが 多く見受けられ、アクションゲーム(この場合「2D タイプであり、主に横スクロールを行い、 自機に重力がかかり、地面に沿って進行を行うもの」を指します)のサンプルゲームがあまり存在しない (ように見受けられました)ということと、筆者のアクションゲーム好きという観点から 「お勉強でがてら一味違った(ような)アクションゲームを作成してみよう。」と考えました。

3)可能な限りヒット&アウェイに重きを置く
 一般的にアクションゲームというと、物理法則のようなものが働くものが多く、自機が鈍足であったり、 攻撃や行動範囲に制限が多いということから、攻撃と防御のメリハリがついた方がプレーしていて緊張感も つくだろうと考えました。 加えて、攻撃を受けている間の無敵時間を利用してゴリ押しをしてクリアなどが往年見られているので、 このよう事象には制限が必要と考えました。

4)プレイヤー(以降:自機)は攻/防を行える
 「3」に後続する考えなのですが、防を「(当たらないように)避ける」のみではなく「受ける」ことも 考える方がシンプルの中にもバリエーションができるかと考えました。

5)自機がパワーアップする
 自機が強くなることにより、プレイヤー(ゲームをしていただく方)の充実感や達成感が満たせるように したいと考えました。また単純な数値上によるステータスアップのみでは、「分かりづらい&退屈」が 考えられるので、単純で表現できる手法を取ることを前提とした「可視的にパワーアップ」が判断できる パワーアップを考えました。
 パワーアップ上の問題はパワーインフラにムラがある場合、ステージの難易度や「3」で上げた ヒット&アウェイのポリシーが逸脱することが考えられるので、あくまでも「多少死にづらくなった」 「多少楽になった」という程度のバランス調整を目指すように考えました。

6)古きよき 80's のゲームをリスペクトする(2Dゲームとする)
 これは筆者個人のことになるのですが、筆者は 70's,80's 代のゲームセンターに入り浸って育った世代なので、 この時代のゲームがとても楽しい文化だったと考えています(もちろん現在も良い文化と思いますが、筆者には ゲームの質や比重が違うと考えています)。
それをリスペクトした上で表現するものとなると、当然「2Dゲーム」という考えに結びつきました。
また、当時は8(or4)方向レバー、2(or 3)ボタンというものが主流だったので、「非常にシンプル」で 表現できることは素晴らしいと考えました。

7)古きよき 80's のゲームセンターをリスペクトする(セーブはなし。プレー時間は最長1時間半程度)
 個人のPCなどでプレーができるとなると、ジャンルはほぼノンジャンルで開発できると考えられますが、 コンセプトはアクションゲームであり、80's のゲームをリスペクトすることから、プレー時間は 割と長めで良いと考えました。
インターネットでダウンロードできるサンプルプログラムの傾向を(筆者なりに)考えるとプレーする時間 というのは「数分程度」という考え方となるのですが、「どーせ作るのであれば、 自分が一番影響を受けた時代のゲームのプレー時間をリスペクトしよう」ということで、 「最短30分」「最長1時間半」辺りを目指して作成してみようと考えました (独りで創る割には結構な考えですが)。
これは上手/下手がある訳ですが、80's にはストーリー性が強いゲームが多く、 エンディング制度がつき始め、これを達成するまで大体がこの時間辺りとなっていました。

 また、ゲームセンターのゲームなので、大抵セーブ/ロードはありません。
(パスワード式のゲームもいくつか見受けられましたが)
大抵は上述のストーリー性のあるゲームは、コンティニューあるのですが、ゲームをやる人の所持金が尽きたり、 自宅に帰る時間になると、余儀なくゲームのエンディングを見れないで終わりにする傾向が強かったので、 このストイックさがなんとも筆者にはたまりませんでした。
そこで、本ゲームではセーブは設けないコンセプトにしました。
 ここで例外が一つ考えられて、一時停止(PAUSE)を設けるかがポイントとなります。
ゲームセンターのゲームは基本的にPAUSEがないのですが、経験上「トイレに行きたいのに行けなくて、 自機を泣く泣く殺した」という悲しい思い出があったことから、「セーブはなくても、トイレには行かせなければ!」 という考えを持ち、本ゲームにはPAUSEを設定することを考えました。


 これらを元に、更なるゲームコンセプトを絞りました。(フェーズ2へ)

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